第１回「大日本とんかつ大学」〜難関校Ｔ大を突破せよ！〜

Ｔ大。早稲田でそういえば、誰もがひとつのとんかつ屋を思い浮かべる。早稲田通りと明治通りの交差する馬場口交差点に近い「大日本とんかつ大学」である。　

全国有数の超難関校・東京大学。当時、Ｔ大と言えば、多くの人がこの大学を思い浮かべた。日本の大学の中で最も長い伝統と常に先頭に立って新しい挑戦を行ってきた大学である。10の学部、15の大学院、11の研究所からなる東京大学はあらゆる領域での研究と教育において指導的な立場を占めてきた。各大学の研究成果を明示する各種のデータが示しているように、東京大学は研究重視型大学の一つとして世界においても確固たるポジションを享受している。

我々プロジェクトチームも全員が一丸となり東京大学を目指していた。「大学なんて関係ない」って東大出てから言ってみたいって言ってみたいなとよく代ゼミのラウンジで言っていた浜本。しかし、ある時気がついた。「腹が減っては学問もできぬ」。そう思った浜本は突如、進路変更。服部も、とんかつの研究がしたい、と第一志望を変更。まわりの生徒は明らかに動揺していた。この時期になっての志望校変更は自殺行為。しかし、服部、「金の工面はできた。胃の調子も万全。必ずかつ！」力強かった。のりよし部長、「お前らに任せた」。誰もが勝つと信じた。しかし店の前に行って驚いた。

やたらコック姿の似合う豚が笑顔でこっちを見ている。よく見ると「本日は都合により休業とさせていただきます」と書いてある。浜本は言った、「負けた」。しかし続けて「アイシャルリターン」。次回の勝利を誓い、代ゼミに戻っていった。男たちの浪人生活が再びはじまった。

＊この文書は2005年の１月下旬に執筆しましたが、2005年９月頃「大日本とんかつ大学」は閉店となったようです。これを執筆する以前に一度だけ、たずねたことがありますが、非常にアットホームなお店で、大変よいお店でした。