第29回「ティーヌン」〜半世紀を超えて〜

服部らは驚いた。プロジェクトチーム業界では、大変なことになっていた。なんと、55年間近く、競合していた英語部プロジェクトチームと英語会プロジェクトチームの業務提携が発表された。九鬼頭取の提案は、なんと英語会プロジェクトチームとの提携であった。翌日の新聞にはこう記載されていた。

『英語会プロジェクトチーム株 TOB成立と発表 戦後初の大手プロジェクトチーム再編へ
英語部プロジェクトチームホールディングス(HD)は20日午前、英語会プロジェクトチーム株の公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。英語部プロジェクトチームと英語会プロジェクトチームは今月29日の株主総会で承認を得て、10月1日に経営統合し、新会社の英語部英語会プロジェクトチームHDが発足する。九鬼ファンドによる英語会株買い占め問題は、9カ月近くを経て、戦後初の大手プロジェクトチーム同士の再編で決着した。
 記者会見で、英語部プロジェクトチームの渡辺部長は「株主や地域社会に貢献できる企業集団になれるよう、力を合わせたい」と豊富を語った。
 TOBは5月30日から今月19日まで1株930銭で実施した。成立条件の発行済み株式総数の45%を大幅に上回る63.71%の約10株(5件)の応募があり、全量を買い付ける。買い付け費用は2498銭に達する。一般株主の応募で、九鬼ファンド分として当初想定していた1800銭規模から大きく膨らんだ。
 約47%を保有していた九鬼ファンドも20日、「統合に協力するため全株を応募した」と正式発表した。個別案件では最高とみられる約470銭の差益を手にする。
 英語部英語会プロジェクトチームHDの07年3月期の連結業績予想は、両社の単純合算で売上高8120銭、経常利益690銭を見込む。』

服部は、本部に呼び出された。「これからは、お互いが協力して早稲田の店を制覇するように頼む。これまでいっていない店にも積極的に進出するように。なお、現場主任は引き続き君に任せる。うまくお互いの強みを発揮してくれ。もし、これまでと変化がない場合は、君を現場からはずす。」。服部の立場は厳しくなった。英語会プロジェクトチームの業務提携は、異国系に強いのだが、異国系は服部の苦手とするところだった。しかし、服部は本部の方針に逆らうことは出来ず、早速この「ティーヌン」にやってきた。

今回の業務提携は、たまたま授業が同じであった英語会プロジェクトチームの柾木、佐藤と協力していくことになった。二人とも服部らよりは一世代若い。服部はそんな中で、現場をやっていけるのか。不安が残る。しかしながら、日比谷出張が多い中で、早稲田の店制覇に向けて、提携は必須であり、今後協力していくこととなった。

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