第7回「此処路」〜行け!平成の桃太郎・鬼殺し天丼退治〜



とんかつの中にチョコが入ったチョコとんかつ、通称「チョコとん」が名物だった「フクちゃん」が移転して、その後釜に「此処路」がやってきた。オープン当初は、普通のそば屋という印象だったが、早稲田に同化したのか、オープン一周年記念で「鬼殺し天丼」が話題になっていた。我がプロジェクトチーム、情報部の田野倉は、すでに調査を終え、完食にいたっている。田野倉は「すた丼」で倒れていたが、十分な休養をとっていたためになせたようだ。

ちょうどその頃、服部は、これまで現場主任としてやってきたが、巨大化する早稲田の飯に対応できるかが疑問視されていた。本来なら、とっくに世代交代。本部は、服部にポストを用意していたが、服部はあくまで現場担当にこだわってきた。だが、「二郎」での苦戦振りを知った首脳部は、服部に本部に移るよう再び説得してきた。服部は拒否した。「では鬼殺しに挑戦してから考えさせてください。まだまだ、現場でやれることを証明します。」服部は力強く応えたため、本部も一時様子を見ることにした。



この日のチームは、情報部の田野倉、主要取引銀行「茎」の頭取、九鬼、そして早稲田の店の調査に来ていた東京大学のプロジェクトチーム外商部の中山、そして服部だった。三人は、それぞれ、カレーうどん、かけそば、山菜そば(写真上)を頼んでいた。主要取引銀行「茎」頭取の九鬼が、かけそばを食べるという庶民を馬鹿にしているのかと思わせる態度があったが、服部はそんなことを思う余裕がなかった。「ここで食べ切れなかったら、現場を離れるかもしれない。」服部はかつてないプレッシャーに襲われていた。

鬼殺し天丼が来た。その大きさに衝撃を受けた。大きすぎる。写真ではわかりづらいが、カレーうどんが小さいのではなく、天丼が大きいのである。留意されたい。



服部は、一騎当千の勢いで食べ始めた。てんぷらの量のわりには少ないご飯。当初、服部は「これならいける」そう思った。しかし、食っても食っても減らない。時間だけが過ぎていく。服部は途中二度胃薬を飲んだり、外に出て、運動をしたりしたが、ほとんど効果がなかった。いまにもボミットしそうである。



服部はついにリタイアをした。ペースメーカーの田野倉の指示の通り、えびを最後に残したが、結局えびを二本残して限界に達した。えびを二本残すのは、例えるなら、中華丼のうずらのたまごを残すのに匹敵しており、服部は悔しかった。田野倉はちゃっかりそのえび天丼を持って帰った。服部は本部に呼ばれた。本部は、現場にこだわる服部に対し、現場統括本部長のポストを用意した。しかし、現場で実際にやらなくては意味がない。本部長では現場には出られない。そこで服部は必死に訴えた。「ちょっと体調が悪かったんです。」本部もあと少しで食いきれたことを考慮し、もう一度チャンスを与えることにした。

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