第12回「びぉーる」〜新たな境地を求めて〜

この日、服部は「アメリカ文学史」という授業で十分な睡眠をとり、おなかが減っていた。その授業中にメールが来ていた。
「今日ミキどうよ?」

田野倉からだ。彼のメールは常にシンプル。三行以上にわたるメールを見たことがない。しかも、常に
「今日○○どうよ?」
という、飯の誘いである。
とりあえず、キッチンミキの取材をやろうやろうと思っていて、なかなかできなかったから、行くことにした。

さて、授業が終わり、キッチンミキに行く。すると、店は満席で、合い席になると言われた。服部は、田野倉に、
「どうする?」
と聞いた。すると田野倉は、
「微妙だなあ。」
と言った。田野倉は続けて、
「いやあ、微妙。俺らはいいけど、絶対向こうが微妙に思うぜ。」
と言った。

「じゃあ、違う店にしよう。」
と服部が言うと、
「微妙、びみょう、びぃみょー、びぃみょーる、びぉーる。そうだびぉーるにしよう」
てなわけで、
「レストランびぉーる」に行くことにした。

ここの名物はカツスパらしい。スパゲティーの上にかつがのっているのである。田野倉はカツスパを、服部はハンバーグランチを
頼んだ。は

カツスパが来た。

ハンバーグランチも来た。食べながら、服部は言った。
「最近困っているんだよ」
「どうした?」
「ネタがなくてな」
「まじで?」
ふと、窓の外を見る。いいながめである。授業の時間帯なので、早大生や地元の人が少しいるだけで、とても静かである。



すると服部は、
「ま、いっか。」
と言った。
「ネタがなくていいのか?」
と田野倉が言うと、
「いや、授業。実は今授業中なんだよな。」

新たな境地を求めてプロジェクトチームは、再び立ち上がろうとしている。

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