「山パンマスターへの道(下のニ)」


 休憩が終わり、途中何度も仕事が変ったが、つらかったのは出来たパンを下まで運ぶのと大きなケースにバターを入れる仕事だった。おそらくバターロールのバターだろう。バターはひとつの重さが20s。それをケースに入れるのだが、その際、社員から

「なるべく手でさわらないでね。」

といわれた。なるべくって…。しかし、重い上にバターが半分溶けていてかなりむずかしい。手で触るどころか、服にべたべたくっついてしまい、バターに服の繊維がべっとりついてしまった(☆6)が、そんなことは気にしていられない。14個を入れた時点で、ケースがほぼ満タンになってたので、ふたを閉め、ひとつだけあまったバターはそのままにしておいた。
 終わったので違う仕事をしていたら、しばらくたって、またさっきと同じ仕事やってくれといわれた。みるとバターが45個くらいある。それをさっきと同じようにやれと言われ、「それでなぜかここに1個だけあまっているけど、気にしないでね。」と言っていた。さっきのあまったバターだ。どうやらケースには15個いれるらしい。その日のバターロールは多少バターが少なめになっただろう。
 出来あがったバターロールを下まで運ぶのもつらい仕事だった。1ケースにバターロールが4袋、それを30ケース、5〜7本、150〜210ケースを1度に下まで押して運ぶ。キャスターはついていないに等しい。それをおそらく20回はやっただろうか。途中、食パン、超芳醇を大量に落としている人がいた。みんなで拾い集めていた。

仕事が終わった。正直期待していたものとは違った。やはり同じ仕事をやるのが山パンだ。これは山パンではないとも思ったが、さっきの青年はずっと、鉄板に並べる作業をしていたらしく、「うー、うーっ」とだけ言っていた。顔はpaleだった。

着替えが終わり、給料をもらいに行く。お金が入った封筒をもらった。うらには
「お金は大事につかいましょう」
と書いてある。はっきり言って大きなお世話だ。私から言わせれば、
「もっと人は大事に使いましょう」
である。ここには人権というものがない。こんど板垣さんに頼んでみようと思った。

外は、ちょうどあけぼのであった。帰りのコンビニでリポビタンDを買ったのは言うまでもない。これをちょうど執筆中にリポD200億本突破というニュースがやっていた。すごいと思う。ちなみにリポDのDは、DeliciousのDらしい。

☆6:ただしそれを防ぐために粘着ローラーでユニフォームの繊維を事前にとっている




Fin

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