「山パンマスターへの道(上)」

 おっす!オラ志賀直哉。最近『暗夜行路リローデッド』と『暗夜行路レボリューションズ』の執筆で忙しかった、武者小路実篤君の友人志賀直哉です。はじめまして。
 今日はみんなにアルバイトを紹介しようとおもいます。その前にある本にあった文を紹介したいと思います。

 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。(中略)されども今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。その次第甚だ明らかなり。(中略)されば賢人と愚人との別は、山パンをやるとやらざるとに由っていでく出来るものなり。                    福沢諭吉『山パンのすゝめ』 (☆1)
 
というわけで私の師匠も山パンを奨めていますね。山パンとは山崎パンの工場のことです。小平というところに工場があって深夜働けば1日1万円もらえます。が、何故か毎日20人近く日雇いで求人しているのです。そのわけを知るには実際にやったことがある人の証言を聞くのがよいでしょう。

 某ディスカッションスタッフ、S・Tさんの証言
「おまえあれは神になれるよ(☆2) 。まじありえない。2回やった(☆3)けど、1回は1晩中検品(☆4) 。もう1回は1晩中バナナの皮むきだぜ。ベルトコンベヤーにバナナがのってて一定の時間内に皮をむかないとベルトコンベヤーが止まるんだよ。止めたら怒られるぜ。てかありえないよ。だってさ一つのバナナの皮むくのにだいたい5秒と考えてみ。1分で12個。1時間で720個だから、一晩8時間で720×8=5760個もバナナの皮をむくという計算になるぜ。人生80年と計算して生まれてから死ぬまで4日に1個バナナを食べた場合、一晩で一生分のバナナの皮をむくことになるぜ。だいたい労働基準法がさ(以下薀蓄が続く)」

 このほかにもたくさんの証言を聞きましたが、誰一人として肯定的な人はいませんでした。なかにはそれ以来山崎パンを食べられない人までいます。肉体的には楽らしいが、精神的にかなりきついらしい。これが「神になれる」所以だとか。
 てなわけでリピーターがいないわけです。だから毎日求人してるのですね。しかし、自らの精神力を鍛えるにはこれしかないというわけで、友人の実篤君と今度やってきたいとおもったのでR。男たちの挑戦が今はじまる。

☆1:「山パンのすゝめ 初編」明治5年2月出版。福沢諭吉、小幡篤次郎同著。
☆2:巷では関西遠征2003で神になったと言われているがすでにこれで彼は神になっていた。
☆3:後のWINTER CAMP2004の時点での回数。
☆4:100個に1つくらいミスがあり、それを除く作業。



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